COLUMN04 意外なバックボーンを持つ、
コーヒーショップ
– 後篇 –

Splendor Coffee
  • TEXT AND PHOTO BY ALLY
  • 2017.04.13

皆さんこんにちは!田原町のSplendor Coffeeオーナーの鈴木さんと、店長の清水さんへのインタビューの続きです。(前篇はこちら

田原町でお店を開いてみて、この場所ならではの特色であったりとか、感じることってありますか?

鈴木

ここはベタに下町じゃないですか。基本的にはご近所さんと仲が良いんですね。ご近所さんが色々な意味で応援してくれる。「収穫祭やります」と言うと大家さんが近所のおばさん達を呼んでくれます。

さすが、浅草・田原町!イメージを裏切らないですね〜。

お客さんとの関係で目指しているところは?

清水

これから2020年のオリンピックを迎えるにあたって、外国人が行きたい場所…表参道、青山、渋谷、六本木にはだいたい色々な飲食店が揃っていますが、浅草ってそうでもないんですよ。

これから、ということで勝負しやすい場所じゃないかと。あくまで外国人目当てで、というところなんです。
やっぱり強みは、この周辺にゲストハウスがたくさんあるので、そういう方々をターゲットにしていきたいという気持ちは元々あったんです。

この場所って、住んでいる方で、このお店を知らない方がたくさんいるんですよ。オープンして半年以上たっているのに。
それでも来て頂いている方は、だいたい、何度か来られるんで。

けっこうリピーターさんになってくれるんですね。

清水

リピーターさんは多いですね。なんて言うか…うねりじゃないですけれど、それが地域の発展になると思います。顧客との関係性というよりは、地元の人との関係性と外国人のお客様との関係性を重要視しています。

清水さんは現在、地元のコーヒーショップなどが掲載されている外国人向けのマップを制作中とのことです。地域全体が盛り上がるといいですね!

Slornの可能性を感じる部分はありますか?

鈴木

Slornに求めていることは、Slornを導入しているお店の色々な動きのデータって見えますよね。お客様が入って、喜んでくれているチャンピオンのお店ってあると思うんですよ。それの特徴を抽出できるはずなので、それを皆にフィードバックしてほしいなと思います。

あと、今って、ネットで事前に情報を調べてお店に入ってくるじゃないですか。
食べログからうちのホームページへのアクセスが多かったんですけれど、最近だと、Instagramに変わってきて、Instagramを一生懸命やっているんですが、そこの流入の元がSlornになると色々な意味で、キャンペーンとかも打ちやすくなるなと思っています。
下町なんで気軽に一見さんも自分の店の様にいつでも気軽に利用してもらいたい。そんな人達のコミュニケーション基盤として、活用させていただけたらなと思います。

SlornのQRコード(アプリでチェックインする際に使います)。

さて、こんなSplendorですが、実は、経営母体はIT企業で、鈴木さんはそこの社長なんです。
どういった経緯でバリバリのIT企業がカフェを出店するに至ったのでしょうか?

鈴木

ご存知の通りIT企業って、リアルな感じがまったくしないんですね。直接のお客様に触れるという事が、全然無い。僕は、大学を卒業してからずっとITなんですけれど、もっと人に近づいて、人の役に立つことが具体的に見える仕事をしたいなというのもあって。

金融ITの世界をやっているのですが、マーケットデータを集めて、例えば、その中から投資に役立ちそうな情報を自動的に抽出してきて、投資の判断に使ってもらうようなサービスをしているんです。
それを、もっと他の分野に活かせないかなという思いがあって、そうだ、IT化AI化が一番遅れている分野は農業だ、という単純な発想で、農業IoT、AI農業をやっちゃいました。リアルな世界をインターネットにつなげて、さらに農業を自動化していくときに自動化で農作物を安定的に作っても、売る所まできちんと押さえておかないといかんなと。
全部知らないとビジネスってできないんじゃないのという気持ちがどうしてもあって、できるかできないかより、やってみないとわからないという気持ち先行ではじめるタイプなんで。

オーナーの鈴木さん。IT企業とカフェ経営、二足の草鞋(わらじ)を履いています。

鈴木

自分達で店を持てば、自分達がAI農業で作った農作物を直接仕入れて自分たちで加工して、販売するという所までは出来るじゃないですか。それをまずはやりたいということで作ったのがこの店なんです。農業農業してしまうとコーヒーショップとしてはギャップが大きすぎるので、自分への挑戦と農業をお洒落にしたいという思いで、NYのブルックリンの自由さとか革新性を持った雰囲気の店を作りました。

なんと、Splendorにはこんな壮大なバックボーンがあったのですね…!驚きました!

農作物を加工販売しようと思った時に、オシャレなカフェを作ってしまう、という発想が素敵です。
他にも、もっとも優秀な農作物を育てた農家のデータ(アルゴリズム)を他農家に提供するプロジェクトや、地方の農家のアンテナショップ的存在を目指している等、貴重なお話を色々聞かせていただきました。

そして、鈴木さんは、Splendorで出すフードの開発も行っているそうです。
この日、開発中のスイーツを試食させていただきました!
パウンドケーキに甘納豆状態のお芋を混ぜたケーキで、しっとりとした食感とナチュラルな甘さがとても美味しかったです。

日中はバリッとしたスーツ姿のIT企業の社長である鈴木さんが、夜な夜なご自宅の台所でスイーツを作っているというお姿を想像して、思わずほんわかしてしまいました。

洗練された内装に、美味しいコーヒー、体に優しいココナッツシュガーを使ったスイーツが揃うSplendor Coffeeに、是非皆さんも、Slornアプリを入れて、行ってみて下さいね!

鈴木 雅雄
CEO/Chief Enzyme Officer/Swiper

Splendorのオーナー。
男子校、理系大学出身。
コーヒーショップの雰囲気が大好きで、東京浅草の外れに
男前な雰囲気の一号店をオープン。
趣味は店のトイレ掃除とサイクリング。埼玉県越谷の家から浅草まで自転車通勤をしている。
その為、店にシャワールームを設置してしまった。

清水 英貴
Splendor Coffeeマネージャー

1973年東京新宿生まれ
少年期は父の実家、九州佐賀県有田町、窯業の町で育つ。
カフェ運営全般を10年、コーヒー専門店舗でバリスタ・ロースター業2年。
現在の浅草寿町にあるSplendor Coffeeにてバリスタ兼店舗運営を営む。
趣味はスノーボード、スノーボード歴は23年。
コーヒーと横ノリに目がない44歳です。